脊柱管狭窄症による腰の痛みや痺れは、身体を動かすことが苦痛になってしまい、日常生活に支障をきたします。
少しでも症状を和らげたいと自己流でストレッチなどをやってしまい、悪化してしまうことも少なくありません。
「とにかく痛みや痺れを和らげたい」という人に向けた狭窄症の痛みや痺れを和らげるストレッチ方法を、千葉県八千代市勝田台の整体師が解説します。
目次
- 脊柱管狭窄症で痛み・痺れが出てしまう原因
- ストレッチを行うことのメリット
- 脊柱管狭窄症の痛み・痺れを和らげるストレッチ方法
立っている状態で行う方法
座っている状態で行う方法
床でできるストレッチ方法 - まとめ
脊柱管狭窄症で痛み・痺れが出てしまう原因
まず、脊柱管狭窄症で痛みや痺れが出てしまう原因について解説していきます。
脊柱管狭窄症は、長時間に及ぶ座り姿勢などによる歩行不足が原因で起こります。骨盤の前傾によって背骨が変形し、背骨の中に通る管(脊柱管)の神経が圧迫されて痛みなどの症状が出ます。
デスクワークなど1日の大半を座った状態で過ごすことで歩く機会がなくなり、骨盤が「歩かなくてもいい」状態になってしまうのです。
歩行不足により動かなくなった骨盤を無視して姿勢を良く見せようと肩を張って立つと、腰が反ってしまい骨盤と背骨の接続部分(腰椎)に大きな負担が掛かります。
この立ち方を続けていくと、腰椎を形作る輪っか状の小さな骨(椎骨)とそれらを繋げる軟骨(椎間板)にズレが生じ、結果的に変形してしまいます。
脊柱管狭窄症の痛みや痺れは、腰が反った状態になることで起こります。症状を和らげるには肩の力を抜いた状態で背筋を伸ばさずに過ごすことで多少は緩和されます。しかし身体を動かしていないと症状は悪化し、最悪の場合歩けなくなってしまいます。
痛みや痺れは、変形した椎骨の中の脊柱管に通っている神経が圧迫されることで現れます。それらの症状を和らげる方法の1つとして、骨盤や肩周りのストレッチが効果的です。
ストレッチを行うことによるメリット
ここから脊柱管狭窄症の痛みやしびれを和らげるストレッチを紹介していきますが、その前にストレッチを行うメリットを説明します。
まず、人間は基本的に歩く(動く)生き物です。ストレッチなどで身体を動かす機会を増やしていくことで本来使うべき骨や筋肉の緊張がほどけ、少しずつ動けるようになっていきます。
身体が動けるようになることで内臓や自律神経のバランスも発症以前の状態に近づけることができます。
もちろん脊柱管狭窄症のように骨盤が固まって背骨が変形している場合、自宅療養で病気自体を改善させるのは簡単なことではありません。しかし、肩甲骨や背中周りの筋肉をほぐすことで長年にわたり染み付いていた身体のクセや筋肉の硬直を和らげ、症状を感じにくくすることはできます。
また、ストレッチを行うことによって重力に対して身体がバランスよく荷重を掛けられるようになります。すると背骨が正しいS字湾曲の形に戻り、痛みを和らげながら少しずつ身体が健康な状態に戻る準備が整っていきます。
骨盤に負担をかけない姿勢で休むことは大事ですが、少しずつ本来の動きを取り戻しながら痛みを和らげたほうが治療も長引かずに済むのです。
しかし、間違った方法で身体を動かすと余計に痛みや痺れを感じてしまうことがあります。脊柱管狭窄症の症状を和らげるには、どのようなストレッチをすれば良いのでしょうか?
脊柱管狭窄症の痛み・痺れを和らげるストレッチ方法
ここからは、脊柱管狭窄症の痛み・痺れを和らげるストレッチの方法を解説します。今回紹介するストレッチは立つ・座る・四つ這いの3つの姿勢で手軽に出来るものです。自分の身体の状態を見極めながら取り入れてみましょう。
ストレッチ方法は下記に解説していきます。
立っている状態で行う方法
まず、立っている状態で行うストレッチ方法を解説します。立って出来るストレッチは前屈・股割り・スクワットの3パターンがありますが、腰を大きく曲げる動作も含まれているため、まずは自分の出来る範囲から行いましょう。
①前屈姿勢で行うストレッチ
足を肩幅に広げ、肩の力を抜いた状態でゆっくりと上半身を地面に下ろしていきます。痛みを感じるところまで下がったら、首を両足に近づけて腰・肩・首の筋肉をほぐします。
始めのうちは前屈運動そのものが辛く感じるかもしれませんが、骨盤に動きが出て指先の触れる位置を下げていくことで、広い範囲の筋肉をほぐすことができるようになります。
横から見ると腰から背中にかけてが大きく丸まり、肩が脱力しているのがわかります。一般的にストレッチは「体を伸ばす」というイメージがありますが、この動きでは「伸ばす」というよりは力を抜くことを重視します。
無理に腕を地面につけようとせず、身体の曲がる範囲内で脱力してみましょう。
②股割り
股をできるだけ広く開き、太ももに手をつきながら膝の角度が90°になるまでゆっくりと腰を下ろします。このとき、肘はまっすぐ伸ばすのがポイントです。骨盤の可動域が広がると股も大きく広げることができるようになります。
腰を下ろした状態をキープしながら肩を内側に入れて上半身をひねります。肩を内側に入れると肩甲骨付近の筋肉が伸び、肩の緊張がほぐれます。
最初は股を広げて腰を下ろすとバランスが取れなくなるかもしれませんが、慣れてくると自然に立てるようになってきます。その状態になれば、骨盤が少しずつ動き出している証拠です。
③スクワット
足を肩幅に広げ、腕を前に伸ばし親指以外の指を握った状態で腰を下ろします。このとき腕の角度は上半身から90°の位置でキープします。腕の角度を90°に維持することで肩甲骨付近の筋肉に刺激を与え続けることができます。
腕を伸ばしたまま腰を上げてゆっくりと直立の状態に戻ります。スクワットは股割りと違い、太ももを手で支えることができないのでバランスが取りづらいのが特徴です。腕の位置が下がらないように、そしてバランスを崩さないように行うのはかなり難易度の高いものです。
立った状態のストレッチは身体を大きく曲げたりバランスを取るのが難しかったりするため、行うときは決して急がずゆっくりとチャレンジしてみましょう。
座っている状態で行う方法
ここからは座って行うストレッチを紹介します。ストレッチ方法は立って行うものよりも比較的簡単なため、初めて行う方におすすめです。
上体を大きく丸める運動
まず、ストレッチに使う椅子を用意します。椅子は座ったときに膝の角度が90°付近で固定されるようなものが理想です。
椅子に座った状態で足を肩幅に広げ、腰を曲げて首を椅子の下に潜らせるようなイメージで前屈みになります。
横から見ると腰から首にかけてが大きく曲がり、肩甲骨付近の筋肉に刺激が加わります。無理に身体を曲げようとすると症状の悪化に繋がってしまうので、上半身の力を抜いて勢いをつけずにゆっくりと下ろしていくのがおすすめです。
床で出来るストレッチ方法
次に、床で行うストレッチを紹介します。このストレッチは骨盤の位置を直して姿勢をよくする効果がある一方で、治療をしていない状態で行うと痛みが出る可能性があるので注意しながら取り入れましょう。
四つ這い体操
この体操は脊柱管狭窄症の痛みや痺れを和らげるというよりは、歪んだ骨盤を元に戻しつつ無理なく背筋を伸ばせるようにする体操です。治療の一環として取り入れることで、症状の緩和とともに姿勢の改善にも繋がります。
体操のやり方は下記の通りです。
まず四つん這いの体勢になり、手元と足先の位置を固定させます。このときに膝の角度と肩から腕にかけての角度はそれぞれ90°が理想的です。足のつま先は常に立てた状態をキープします。
次に、膝を曲げながら上半身を丸めていきます。このときに腕が伸びた状態になり、肩の筋肉に刺激が行きます。首を下に向けることで、より広い範囲の筋肉をほぐすことができます。
次に、丸めた上半身をゆっくりと反らしていきます。足を伸ばして上体を反らし、腕を立てて首を上に向けます。このときに強い痛みが出る場合は無理をせずに中断しましょう。
四つ這いの状態から上記の動きを20回繰り返す体操を毎日続けていると、前傾していた骨盤の位置が直り、自然な二足歩行を取り戻していきます。
注意:この体操だけで姿勢を矯正しようとすると、身体を反ったとき腰に激痛が走る可能性があるので、まずは硬直した骨盤のロックを外す治療をしてから体操を行うことをおすすめします。
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まとめ
痛みや痺れがあって長時間歩くのが難しい場合に有効なのが、腰から首にかけての筋肉をほぐして症状を緩和させるストレッチです。
スクワットのように下半身でしっかりとバランスを取らなければならないストレッチは、まず前屈や座った状態での運動に慣れてから挑戦することをおすすめします。スクワットが楽にできるようになった頃には骨盤のロックもかなり外れて、以前より症状を感じにくくなっているかもしれません。
しかし、筋肉をほぐすなどの痛みや痺れを和らげるストレッチは症状を根本的に改善するものではなく、あくまでも「緩和」することが目的です。症状を改善させて良い姿勢で歩けるようになりたい方は、骨盤を正常な状態に戻していく必要があります。
また、四つ這いの体操は上半身を大きく反らす動作が入っているため、固まっている骨盤の動きをよくする治療をした上で治療家と相談しながら行うことをおすすめします。
自分の痛みや痺れなどの症状の度合いを見極めながら、無理のない範囲で身体を動かしていきましょう。
千葉県八千代市勝田台の整体院では、脊柱管狭窄症の症状を緩和させる基本姿勢や体操のレクチャー、骨盤の動きを改善させて歪みを直す治療など、患者さんの症状に合わせたサポートをしています。
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